コロナと事業の今後(2020.0501)


【コロナと事業の今後】
コロナはいつまで続き、世界はどうなっていくのか。。
指標として、似た状況だった100年前の「スペイン風邪」を基に考察してみました。

様々な意見がある中で私が感じていることで恐縮ですが、宜しければご覧くださいませ。

①コロナとスペイン風邪の類似性:
 - 感染力が高く、パンデミックを引き起こす
 - 致死性がある

 スペイン風邪は1918年から1920年までに世界中で5億人が感染したとされ、これは当時の世界人口の4分の1程度に相当する。
(現在の人口は77億人ほど、コロナの感染者は4月29日時点で312万人ほど)
 死者数は1700万人から5000万人との推計が多い。

コロナは、4月29日時点で21万人ほど)
 
 ※wikipediaより

 尚、スペイン風邪の死亡率は2.5%ほど。日本や欧米では1-2%ほど、というデータもあるようです。
 (4月29日時点のコロナの死亡率は全体で6.73%、アメリカで5.67%、日本で3.07%)

②スペイン風邪がどのように収束したか(1918年-1920年)
 (様々なネット記事より抜粋しています。参考程度にご覧ください)

 第1波:1918年3月にアメリカのデトロイトなどで最初に流行したと言われ、
     世界大戦の最中、アメリカ軍のヨーロッパ進軍と共に大西洋を渡り、
     当時中立国のスペインを中心に5月から6月にヨーロッパで流行。
     夏頃になると自然に収束。この際は感染率は高かったものの、死亡率は低かった。


 第2波:1918年秋にほぼ世界中で同時に起こり、
     病原性がさらに強まり重篤な合併症(肺炎など)を起こし死者が急増。


 第3波:1919年春から秋にかけて、第2波と同じく世界で流行。
     更に医師・看護師の感染者が多く医療体制が崩壊したため、感染被害が拡大。
      その後、人類の大部分が感染と共に免疫を獲得することで自然と流行は収束。

 感染拡大を防ぐために日本を含めて世界で不要不急の外出を控えるよう通達が出たり、
 実際に学校や娯楽施設の閉鎖命令も出ていたようです。
 今の状況と似ていますね。


日本でのスペイン風邪の流行(主に2回の流行、当時の日本の人口は5500万人ほど)


患者数死者死亡率
1918年21,168,398人257,363人1.22%
1919年2,412,097人127,666人5.29%
1920年224,178人3,698人1.65%
合計23,804,673人388,727人1.63%


スペイン風邪の流行を見てみると、1918年10月~の第1波が著しく、12月までの3ヶ月がピークになっています。全国民の約40%が感染ました。
その後は穏やかになり、1919年3月を過ぎると第1波は収束していきます。
第2波は1919年12月頃より確認され、1920年1月-2月がピーク。その後は徐々に収束していきます。

東京都健康安全研究センターより

尚、現在のコロナウイルスは高齢者に重症例が偏っているのに対して、
100年前のスペイン風邪は圧倒的に若者が重症化していたようです。

③スペイン風邪が与えた経済への影響
(様々なネット記事より抜粋しています。参考程度にご覧ください)

下記のような問題が発生したようです。
- 労働者の大量欠勤によりモノの生産能力が大幅に低下
- 収入減による消費の冷え込み
- 病院への患者の殺到に加えて医療者が感染することでの医療崩壊
- その他各種インフラに携わる労働力が低下したことにより社会機能が麻痺

スペイン風邪が経済に与えた影響を分析したハーバード大学のロバート・ベロ教授は、主要43カ国の国内総生産(GDP)が平均6%下落したと推定しました。
但し、第一次世界大戦が終息に向かうタイミングだったこともあり、株式市場への影響はあまりなかったようです。
(尚、経済が大きく落ち込んだリーマンショック時、日本のGDPは2-3%の落ち込みでした)

④コロナと事業の今後

個人的な見解で恐縮なのですが、コロナのパンデミックはスペイン風邪の時の状況とあまり変わらないような印象を持っています。
当分の間は、海外供給の流れが悪くなり、国内生産を押し下げ、消費も冷え込み、失業率も高くなるのではないでしょうか。
また各国とも経済活動の自粛を解いていく流れにありますが、経済を再開するとまた感染が広まり、自粛する流れになりそうな気がしています。
(その時が経済の底?)

しかし、コロナが収束していくにつれ、チャンスもあるのかなと思っています。
弊社が関連するような分野では、

- 中国からの生産拠点の移動でベトナムへOEMが増える可能性(実は弊社も紹介してます)
- コロナ収束時には旅行者も増えてくると思うので、インバウンド系の外国人就労者の増加
- コロナ収束まで入国が難しい特定技能や技能実習生の瞬間的な増加

等々が可能性として考えられるかなと思っています。
今は中々動きづらいですが、将来の方向性を見据えて活動していきたいと思います。